昨年も思い出深い公演に恵まれました。
前回のブログでご紹介した、パリ公演が1つ目。
2つ目は、
坂本企画
『抱えきれない わたしを抱いて』
の東京公演です。
「中野を東京に連れていきたい」
という発言を、劇作家の坂本涼平君から聞いたのは、もう15年以上も前のことです。
あの時は4ヶ月で3作品の本公演を行なうなど、今では考えられないペースで稽古を積み、本番を迎えていました。
そのミーティングの際に発言されたものです。東京に行くことを約束し合ったのではありません。あくまでもミーティング内での一つの発言でした。
なので、直接そのことについて熱い思いを語り合ったり、目標を立てたりということはありませんでした。
それどころか、その発言が議論の中心になることは一切ありませんでした。そしてその後、二度とその言葉を聞くことはありませんでした。
私は確かに聞きました。
けれど、もしかすると記憶違いを起こしていたのかもしれません。
『抱えきれない わたしを抱いて』の千秋楽が終わった後、打ち上げに向かう道すがら、坂本君と2人だけになる瞬間がありました。
ここしかない、と思いました。
「中野を東京に連れていきたい」という発言を覚えているか確認したところ、覚えていてくれました。
当時は誰にも理解されなかったその発言を、15年越しで達成し、本当に東京に呼んでくれたこと。ありがとうございますと伝えました。
打ち上げもそこそこに、会場近くの三鷹駅前から発車する高速バスに乗り込み、大阪へと帰りました。
それにしても、いい公演でした。
--
この記事を書いた人
西宮市で演技レッスンをしています愚禿堂“グトクドウ“の中野です。愚禿堂“グトクドウ“は、演劇を体験してみたい方向けにワークショップを開催したり、すでに俳優として活動しておられる方にはマンツーマンでのレッスンをさせていだく演劇教室です。演劇を習い事の一つとして選択していただけるように日々研究をしています。